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高橋拓児 10品でわかる日本料理

高橋拓児 10品でわかる日本料理を読みました。 

筆者は京都にある木乃婦の主人である。

 少し長くなるが、筆者の考え、この本の趣旨がわかる部分を記す。

 「日本料理とは、四季折々の新鮮な食材を用い、素材の味や色を生かしながら、昆布や鰹節のだし
のうま味を基本とし、繊細な感覚で器と調和をはかり、美しく盛りつけられた低カロリーで健康
によい料理である」 
 残念ながら、この捉え方では、何度日本料理を食べに行っても、「ああ、美味しかったなあ」と
いう一言だ終りです。献立の中の一品一品が担っている役割を理解できず、美食家(グルメ)に
なれても食通にはなれません。
 なぜなら、日本料理に対する歴史的視点でのアプローチがないからです。歴史的視点でのアプロ
ーチとは、日本料理の型を知ることであり、それを知れば日本料理の定義も見えてきます。そして
これこそが、日本料理を最大限美味しく食べるための作法と言うべきものなのです。
 歴史的な視点で日本料理を検証し、理解していき、「日本料理を楽しむ」というスタンスで、日本
料理の骨格ともいうべき10の料理をわかりやすく解説していきます。
 10の料理は次の通りです。
一、八寸
二、造り
三、御椀
四、焼物
五、揚物
六、炊合(煮物)
七、酢の物
八、蒸し物
九、御飯・汁・香物
十、弁当
 縄文時代から脈々と培われて、途切れることなく現代につながる一本道、これが日本料理です。
日頃食べている料理の中に、何千年も前に生きていた人々と共有できる調理方法や考え方がある、
それが日本料理だと私は考えます。
 造りはただ単に魚を切って、醤油と山葵をつけて食べるものではないということです。魚、包丁、
調味料、それぞれどれをとっても、長い年月をかけて培われ洗練されてきた日本独自の最高の
調理方法なのです。
 造りに選ぶ魚は最もクオリティが高い。すなわち、鮮度のよさに加えて魚自身にパワーがある
こと、つまり脂がのっていることです。魚自身が美味しい脂を蓄えている旬の魚であるかどうか
なのです。その脂の味と香りを感じとることが造りを楽しむ醍醐味です。10日前には味わえな
かった脂ののりが今日は感じられるというように、自然の移り変わりまで感じてほしい。
 日本料理の華は、御椀と造りなのです。両者とも味わいが非常に繊細なために、献立の最初
の方、味覚が鋭敏なうちに味わおうということです。

 煮物の調理法
早煮、桜煮、ふくら煮、具足煮、あらだき、煮つけ、煮しめ、煮ころがし、煮ふくめ、ふくめ煮、
煮びたし、蒸し煮、柔らか煮、炒り煮、みそ煮、おろし煮、葛煮、治部煮、柳川鍋、黄金煮、
佃煮、揚げ煮、蜜煮、
 酢の物のかけ酢(日本料理屋に行く前に知っておきたい基礎知識)
二杯酢、三杯酢、南蛮酢、辛子酢、蓼酢、黄身酢、吉野酢、辛子酢みそ、白酢、山葵酢、
生姜酢、橙酢、いり酒、割醤油、山葵醤油、生姜醤油、すだち醤油、柚子醤油、橙醤油、
梅肉醤油、

 料理屋の「ご贔屓様」
不特定多数に提供する弁当は、その時期に一番自信のある料理をお出しする。人の舌は
千差万別ですから確実に美味しいと言っていただけるかわかりません。一方、出入りさせて
いただいている方からの注文は「前の小芋ちょっと味がうすかったよ」とか、「年配の女性方
には量が多かったけど、加減はよかった」と情報量が違うのです。
そこから生まれる言葉が「ご贔屓」です。2回目に予約するときは、前回何時何時に行きま
したのでよろしくとおっしゃっていただくだとよいと思います。2回目から「ご贔屓様」です。

以上が筆者の考えです。


私はこのお店数回食べに行ったことあります。
その印象は、京都の料理屋さんは大阪に比べてとってもリーゾナブルだなと感じました。
きちとしたお座敷に通され、仲居さんが一品一品運んで来てくれる、料理の内容をみても
勝ることがあつても劣ることはなかったです。
この本でいうなら、私は食通ではなく、「ああ、美味しかったな」で終わりですが。





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by threeDEW | 2014-01-10 14:18 | 和食
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